メディアと戦争


昔、戦争ものの映画が大好きな時期があった。それもあってか、戦争を扱ったノンフィクションの文庫本もよく読んでいた。そもそも、私は、学生時代は歴史が好きだったが、ヨーロッパの歴史は国家間の戦争の歴史でもある。その最後の戦争が、第2次世界大戦だ。


そして、この時代は、政治家によるプロパガンダが大衆を動かした時代でもある。新聞とラジオが大きな力を持っており、それを利用した政治家が戦争を引き起こした。ドイツのヒトラーとイタリアのムッソリーニ。そして、スペインのフランコ。演説が巧みで、大衆うけする政治家は、この時代のヨーロッパの象徴のような気がする。


それに対して、日本は?誰かいるかな。
私は、演説で注目された政治家といえば、小泉首相くらいしか思いつかない。


最近、インターネットで、私がひいきにしているコメンテーターが、朝日新聞を攻撃しているが、朝日新聞が戦争を煽っておいて、それを謝罪していない、とコメントしていた。戦前からある新聞社は、朝日新聞だけではないので、オールドメディア全般に言えることかもしれない。


戦前の記録フィルムを見ると、新聞社の旗を振って、出征する兵士を送り出す人々の姿、なんてのもあったと思う。日本で、ヒトラームッソリーニの役割を果たしたのは当時の新聞社だったのでは、最近と思うようになった。


あの時代は、意図的にメディアに流される情報に国民全員が扇動されて、戦争するのが当然、とみんなが思う時代だった。そうでもなければ、何百万人もの人が兵士になったりはしない。ナポレオンの登場する前は、ヨーロッパの各国は数千人単位の兵士のみで戦っていた訳だし。


ヨーロッパで成功した全国民の扇動を、日本で始めたのが誰かは今となっては解らないとしても、今、そういうことが再現できない世の中になったことを喜ぶべきでしょうね。