名詞交換のテクニック

昨日の県内ニュースで、今年の新入社員のマナー研修の様子が取り上げらていました。はるか昔ですが、私もそういった研修を受けたことがあります。


しかし、その後、ずっとエンジニアとして働いていたので、名詞交換の機会はまれで、そういったマナーもすっかり忘れてしまいました。


最近、名詞のマナーについて感心させられる出来事がありました。営業担当者がエンジニア2名といっしょに、不具合の解決の報告に事務所を訪れた際のことです。対応に当たったこちら側の担当者が、その技術者2名が初対面と勘違いして、席を外して名詞を持ってきました。

 

しかし、実は以前挨拶だけしたことがあり、その際に名詞の交換を済ませていました。そのため、エンジニアの方は、以前会ったことを覚えており、名詞をもらっているので交換は不要と伝えてきました。たぶん、私も同じ事を言うでしょう。

 

すると、同行していた営業担当者が、「私は、名詞集めが趣味なので、ぜひ、新しい名詞を頂きたい」と言ってきました。この一言で、中座して担当者は持ってきた名詞が無駄にならずに済みました。


この対応を、今の上司に当たる課長さんが、とてもほめていました。私も、この年になってやっと、その凄さが解った気がします。営業担当者は、自分の顧客に恥をかかせないために、とっさに機転を利かせてくれたのかもしれない、と思ったからです。営業らしい名詞交換のテクニックといったところでしょうか。


たぶん、同じようなことを、私も以前、経験していたのかもしれません。しかし、そういった営業のマナーに対する感覚の凄さやテクニックに気がつけませんでした。

 

ちなみに、その営業担当者は、以前、話させてもらったときも感じの良い、できる人という印象を持ちました。この件があってから、ますます信頼できる人を思うようになりました。