ICT支援員の難しさは言葉選びかな

ICT支援員として同僚と2人で学校を訪問した際、ICT支援員で難しいのは言葉使いかな、という話をよくしてました。

 

私はエンジニアとしての経験が長いので、IT用語を普通のように使います。しかし、先生がその言葉を知っているとは限りません。まして小学生は知らない、という前提で話した方がいいくらいです。

 

さらに難しいのが漢字。普段何気なく使っている感じでも、6年生が習っているとは限りません。さらに2年生や3年生を相手するなら、簡単な漢字でも知らない可能性があります。だからと言って構えて変に説明すると、詳しい児童から「それって〇〇でしょ」と突っ込まれるし。

 

ということで、「こういうのは〇〇って言うんだけど知ってる?簡単に説明すると...」といった感じに子供達に聞きながら説明する、ということもよくあります。この辺は小学生を相手する際のテクニックみたいなものです。

 

理想を言えば、子供達と会話するように、しかも注目されながら難しいことを解りやすく説明できればいいのですが、なかなかそうはできませんね。でも元先生がやっているYouTubeなどを見ると、こういうのは習得できるスキルだそうです。意識して経験を積めば、うまくやれるようになるかもしれません。

 

 

ICT支援らしい活動

ICT支援員は、先生が使用しているPCやその他周辺機器の使い方について指導し、情報化推進のサポートするのが仕事だそうです。

 

ICT支援員とは?学校で先生・生徒を助けるお仕事について解説|ICT業界の求人・転職ならテクノジョブサーチ

 

しかし、私の経験では、そのような仕事はこれまでほとんどありませんでした。小学校でプログラミングが必須になったので、児童にプログラミングを指導してほしい、というケースがほとんどです。たまに、授業でパソコンを使うのでサポートしてほしい、というのもありました。

 

4月にGIGAスクールで配布されたタブレットですが、2ケ月経って学校による差が大きくなった気がします。というか昨年度回った時も各小学校にパソコンがあり、学校によっても差があったように思います。

 

では何故このような差が出たのか。やっぱり最後は個々の先生の取り組みによるのかな。パソコンを使った授業をイメージできる先生に教わる児童は、どんどんパソコンを使うし、そうでない先生に教わる児童はそこそこ使える程度。

 

Youtubeで見たのですが、小学校の先生は、他の先生の授業を見る機会が少ないのだそうです。パソコンをうまく使っている先生が同じ市内にいても、その授業を見る機会がなければ、そのやり方で授業ができません。ICT支援員は、複数の学校に行くので、他の学校でどうやっているかを紹介するのもいいのかな、と思ってます。

 

ICT支援で授業を任されたら

ICT支援員として学校を訪問した際、担任の先生から引き継ぐ形で指導を任されることがあります。担任の先生が教室にいるので、相談しながら指導するのですが、時間管理が難しい。

 

小学校の先生は、このテーマなら1校時にどれくらいやれるか感覚で解っているのかもしれません。プログラミングの指導は、時間との闘いになる、という気がします。

 

まず、小学校の1校時は45分しかありません。挨拶したり担任の先生と簡単に相談したりするので、実際には40分もありません。簡単なプログラムでも、その作り方を説明して児童にやってもらうとあっという間に10分くらい過ぎていきます。

 

遅い児童に対応したり、それを待っているとさらに時間が過ぎていきます。3つくらい予定するとちょうどいいのですが、それだけで作れるプログラムで満足してもらうには...

 

ほんとうは2校時分くらいあれば、面白いのが作れるのに、と思いながら終わる授業が多いような気がします。

小学校の3年生と4年生へのプログラミング学習が難しい

支援に行く小学校によっては、対応するクラスが決まっているものの、何をやるかは当日まで解らないことがよくあります。しかも、授業の直前に先生に相談すると、何かプログラミングの課題を児童にやらせてください、なんてことも。

 

こんな場合、1年生と2年生はViuscuitによるお絵かきに。動きのバリエーションが幾つもあるので、先生も児童も喜んでやってくれます。一方5年生と6年生はプログルかCode.orgの課題。ただしクラスによっては、時間が余るので終わった児童に何をやらせるかが課題でしょう。

 

しかし3年生と4年生はちょっと困る。プログルで扱う算数を習っていない、とか、難し過ぎると違うことを始める児童がいる、ということに。そのためレベルに合わせえて楽しんで学べる教材が必要になる。とはいえ、いい教材がない。

 

ということで授業のカリキュラムを見ながら、何かプログラミングを楽しんでもらえるテーマがないかな、と探しているところです。

 

 

 

 

小学校でのプログラミング体験

小学校でのプログラミング体験を一言で言えば、コンピュータにプログラムでお願いして、そのとおりにやってもらうことです。コンピュータをタブレットiPadに言い換えた方がいいかもしれません。

 

私は大人になってからプログラムを学んだので、コンピュータに命令して、実行するがいわば常識でした。同僚の支援について行って、同僚が子供たちに、お願いして、実行させる、と言っていたのがいいなと今は思ってます。

 

とにかく、こんなことをやってほしい、と思うことが最初です。小学校の低学年向けにViscuitを使ってもらう際は、こんな簡単な動作が、と思うようなものでもキラキラした目で見てくれるのが解ります。そして、それだけ楽しんでやってくれます。

 

これが高学年になると、ちょっと難しいプログラムに挑戦してもらうことになるのですが、こんなことをやってほしい、をきちんとイメージできてないと、コンピュータは言うことを聞いてくれません。

 

これは私も何度も体験してきました。プログラムは思ったとおりに動くのではなく、書いてあるとおりに動作します。イメージを命令に置き換えるのは、簡単ではありません。小学校のプログルやCode.orgのプログラミング課題では、そのような体験の最初な訳です。

 

正直言うと、説明して解ることではないな、と思ってます。実際にやってみて、うまく動かない原因を指摘してもらえると、考える力がつくのかな、なんて思ってます。

 

できるクラスは、早く解いた児童が周囲にうまくヒントを伝えて、それが広がっていって最後まで解ける児童が増えるようです。そんなクラスでは特に遅れている児童を中心に支援してあげれば、最後の問題まであと1問、くらいまでいけた、という経験もありました。残念ながら、そんなクラスは珍しい、というが実情ですが。

 

 

 

 

 

 

小学校のプログラミング授業、個人の差が大きい

小学校のプログラミング授業というと、Scratchを使います。さらに、Corde.orgやプログルというサイトにある問題もよく使います。これらはブロックを繋ぐだけでプログラムが作れるので、簡単に体験できるのが良い点です。

 

しかし、実際に児童にCorde.orgやプログルというサイトの問題を解かせると、個人による差が大きいのが目立ちます。スタートが同じなのに、なぜ、これほどの差が生まれるのか。

 

頭の回転が速い子はどこにでもいるので、そういう子は確かに早く解いていきます。しかし、指導していて、それだけではないことに気が付きました。

 

問題を読まないでで、ブロックを動かす子が多い。問題を解くのに必要なブロックが用意されているので、それを組み合わせれば解けるのですが、問題を読まないのですぐに詰まってしまいます。

 

できる子は、ちゃんと問題を読んで、それに合わせてブロックを繋いでいるので、大人と同じくらいの速度で解いていきます。それに対して遅い子は、なんでそんな構成にしたの?と不思議におもえるブロックの使い方ばかり。そんな子は問題を読んであげると、「あっ」と言って正しい構成に直してくれることも。

 

先日、プログルを使ったプログラミング授業を支援させてもらったのですが、最初に問題をちゃんと読みように指導しました。しかし、読まずに始める子が多い。できる学級なら半分より多い児童が最後まで解ける問題でしたが、最後まで解けたのは数人だけでした。この辺、先生の指導力も影響するかもしれません。

 

proguru.jp

 

 

 

 

ICT支援員はじめました

長くエンジニアをやってきたのですが、年齢を理由に派遣会社からいろいろ言われるようになったことで、エンジニアとしてやっていくのをあきらめました。しかし定年までまだまだ働かなければなりません。そこで始めたのがICT支援員です。

 

人前で話すのは得意ではありませんが、会議を主催するのに比べれば難しいことではありません。ただし小学生を相手にするには、言葉使いなどに注意が必要です。

 

何度か子供の年齢のような先輩についてやりかたを学び、既に1人で何度か支援させてもらってます。子供たちの反応がはっきりしているのが、いいですね。ただし、うまくいかないことも多く、次は改善しよう、という思える体験もたくさんしてます。

 

今のところ難しい先生がいないので、恵まれているかもしれません。同僚の中には先生の要求が厳しいとか、逆に任せっぱなしで教室からいなくなる先生もいるそうです。苦労しているICT支援員もいるみたいです。

 

この年で先生みたいなことをやっている、というのは自分でも不思議ですが、楽しい体験なのでしばらくは続けられそうです。